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9月1日の京都市新景観条例施行日に合わせて、当懇談会は「既存不適格マンション」をめぐる問題をテーマとしてセミナーを開催しました。講師は京都大学教授・高田光雄氏、公明党市会議員・大道義知氏のお二人です。 場所は高さ規制をもろに受ける四条高倉スカイハイツ集会所。ここは錦市場近くの11階建てマンションで、スカイハイツの名に恥じずスックとその姿を天に伸ばす不適格マンションのシンボリックな存在であり、当懇談会の定例会の場でもあります。 土曜の午後1時半の開催でしたが、多くの不適格マンション住民の参加があり、セミナーは静かな熱気に包まれていました。参加者は一生に一度の買い物と言われる高いマンションを買い、そしてそれが不適格マンションになったのですから真剣です。 高田教授の見解の中で特筆したいのは、新景観規制が誰にどのような利害をもたらすのか具体的に検討することが極めて重要で、規制の効果予測、市民・事業者が受ける不利益の程度を検討し、それらに対し十分な配慮が必要だと指摘されたこと。今のところ、ほとんど見捨てられていると言ってよい不適格マンションですし、多角的な検証がなされていないことについては初めから多くの人々が言ってきたことですから、この指摘は懇談会としてはうれしいところです。 また現在まで、「公共の利益」のためには不適格マンションになっても仕方がないと言われてきていますが、高田教授は、景観の「公共性」は「お上」の公共性ではなく(景観は公共の財産だから行政による規制だという短絡的解釈は避けるべき)、共同性の延長上にある公共性として捉えるべきとも指摘されました。共同性とは地域で町の将来像を共に考え町づくりを共有する中での「価値の共有」のプロセスというような意味です。「公共の利益」という言葉で、一方的に不適格マンション住民にされてしまった状況から、少なくとも「公共の利益」に対して、主体的な存在として行動できる可能性が示された見解だと理解できます。 大道議員からは不適格マンション問題に対して、政策的な具体的提言がなされました。新景観政策による景観の将来像への検証が必要だとし、また将来像の方向性が政策の中に織り込まれていないことも指摘されました。これについては市会で8項目の付帯決議がなされているとか。不適格マンションに関わる主なものとしては、1.経済効果・将来像の検証のシステム、分析マニュアル作り 2.市民への周知・不適格マンションの公表(「価値の共有」化につながる)3.不適格マンションへの支援強化 などです。 「不適格マンションの公表」については、当懇談会が現在、最も願っていることです。京都市内には少なくとも650棟の不適格分譲マンションがありますが、そのほとんどのマンション住民が、自分のマンションがそれに該当するということをご存知ありません。言うまでもなく、事実を知ることからすべては始まります。やっと、田の字地区のみには当懇談会会員のボランティアでお知らせすることができましたが、京都市全域への通知にはとても困難が伴ないます。それを、大道議員は政策として提言されました。ありがたいです。 「不適格マンションへの支援強化」の具体的な内容としては、マンションと名のつく組織がいまだに京都市にはないことから、大道議員は分譲マンションの専門組織の必要性を説き、当懇談会の要望している「マンション政策室」にも理解を示されました。また、建替え時はディベロッパーでなく居住者がやっていくことの困難さ・マンションストックをどう維持していくか?・他県より10年遅れている京都市のマンション建替えは2030年から問題がでてくる等の認識のもとに、大道議員は、抜け落ちた支援プログラムをキッチリ作っていくと言明されました。 また最後に、京町屋ファンドという再生支援はできているが、NPOを立ち上げ地域再生をこめてマンションファンドの拡大が必要ではないかとの考えも示され、更に、財政的支援を国へも要望されたとのこと。不適格マンションの未来がかすかにほの明るくなったような気もしますが、いかかでしょうか? その後、質疑応答もなされ、マスコミ各社も初めから最後まで3時間余り在室し、熱心に取材。参加者全員にとって「不適格マンション問題」について考える事のできた有意義なセミナーでした。 2007年9月2日(日) 不適格マンション管理組合懇談会
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